五月のよる

よる子と彩月の気まぐれで出来たことばと写真の出逢いたち。世界のほんとうのことを探すふたりの旅路。

87. 虹始見

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初めての虹はほんのり淡かった空の一部と溶けていたっけ

(彩月)

 

連作(首)

 

(彩月)

画面に表示された豪雨の文字。
文字とは裏腹に外の景色はあまりに静かだ。
窓を開ければ雨の匂いも、道に弾ける雨粒の音も聞こえるけれど、
此処は遮断されている。
良くも悪くも。

 

最後に傘をさして外を歩いたのは何年前だろう。
ぐずついた天気が好きな私。
傘は好きだけど、傘をさすのは嫌いな私。

 

雨が好き。
雨上がりが好き。
雨上がりの朝、大きな虹を見つけて遅刻した高校時代。

 

虹始見。
それを知っているから、雨が好きだと躊躇いなく言えるのだろう。

 

明日は晴れるか。
雨時々晴れ。
いつでも虹が見つけられるように、
明日は窓のそばで過ごそう。

(よる子)

 
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