五月のよる

よる子と彩月の気まぐれで出来たことばと写真の出逢いたち。世界のほんとうのことを探すふたりの旅路。

1.雪

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天上でひかりこおりが出逢い結い溶けゆく闇夜刹那の恋路

(彩月)

 

連作(五首)

大雪に舞い上がり居る我が相棒芸術家ゆえかただの子どもか

大雪が降って「くれた」か「しまった」か吾はどちらで生きていこうか

真っ白の不思議なものを触りたしお家じゃ嫌なのお外を見せて

ぽたぽたと地に吸い寄せらるは白牡丹まだら模様に乱れ咲き居り

雪だ雪真白な心で喜べる遠い日の吾(あ)を忘るるなかれ 

(彩月)

 

 

降って 降って もっと降って。
舞い上がる心は ふわふわの氷菓と共に
くるくる 廻る 踊る。

犬みたいにはしゃぐんだねと
白い息を吐きながら笑った君は
もうずっと隣に居ないけれど
僕はあの頃と変わらない顔をして
息を弾ませてくるくる 廻る 踊る。

降って 降って もっと降って。
綿菓子のような雪を追いかけるうちに
ふとしたはずみで思い出してしまうから
とけて 涙が滲み出さないように。

だから
降れ 降れ 雪よ もっと降れ。
すっととけて往かないで。
その白さで僕を覆い隠してよ。

(よる子)

 

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