41.桃の節句
ふっくらと開き春風解き放つ桃の節句の慶び知らせ
(彩月)
連作(十首)
ちりめんの飾り留まらぬ柔らかな髪愛おしくそっと撫で居り
初節句きゃっきゃ笑って手をたたき袴ひきずりパタパタ這う子
父母(ちちはな)と両家祖父母に見守られはしゃぐ赤子は十月(とつき)になりぬ
「幸せのふくろうきんぎょを作ったの」祈りて揺れるつるし雛かな
桃の花ふっくら開く花びらのまぁるい心持て育ちゆけ
教え乞うわが母のちらし寿司ハマグリの吸い物どう作るのか
代々の女子(おなご)の幸せ祈る日に家族が集う雛また集う
袴着て笑顔振りまく赤子抱く祖父母の横顔柔らかな皺
国産のハマグリ3個で600円…ええい買おうか!娘のためだ
(彩月)
(よる子)